000_r

見る

浅草橋》平将門(たいらのまさかど)の伝説が残る「鳥越神社(とりこえじんじゃ)」は、日本武尊(やまとたける)が白鳥になって降り立った場所だった。

2015/01/21  

001_r
JR浅草橋駅の西口から出て、秋葉原方面に歩くと大きな通りに出ます。
そこから北に向かって歩き、蔵前橋通りまで出ると、鳥越神社から溢れ出るようなイチョウの木が見えてきます。

002_r
そこから蔵前橋通りを東に進むと、表口の鳥居の下には、小さな「白鳥橋」があります。

110年(影行40年)、日本武尊(やまとたける)が東北地方を平定するとき、この地に滞在していました。その後、東北地方を征討しますが戦いで傷を負い、大和へ戻る途中で力尽きてしまい、白鳥になって大和に向かって飛んで行ったという伝説があります。

日本武尊を偲んだこの土地の民は「白鳥明神」として奉祀しましたが、これを起源として651年(白雉2年)に『白鳥神社』という名前で創建されました。

003_r
その後、1050年前後(平安時代後期)に起きた東北地方の反乱『前九年の役』では、鎮圧の任を受けた源頼義(みなもとのよりよし)が、隅田川まで進軍したとき「白鳥が浅瀬に降り立つの見て、対岸に渡れる箇所を知ることができた」という逸話が残されています。

その際、源頼義は、日本武尊の御加護であるとし『鳥越大明神』の御社号を奉ったことから、『鳥越神社』と称されるようになったといいます。

ちなみに、この土地は丘だったことと、その東には隅田川が流れていたことから、軍事の要衝であったと言われています。

004_r
境内に入ると、そこは広く多くの木々に囲まれています。
紅葉の季節だったので、赤・黄・緑の色合いが綺麗ですね。

005_r
この変わった狛犬は、奈良の手向山八幡宮(たむけやまはちまんぐう)にある神殿狛犬が原型だと言われています。

そして、この台座には、7個の丸で描かれた紋「七曜紋」が大きく目立ちます。
この「七曜紋(しちようもん)」は、台座のほかにも至るところで見つけることができます。

006_r
007_r
「曜」は星を意味しており、7個の星は「北斗七星」を表しています。
「北斗七星」を神格化した「妙見菩薩(みょうけんぼさつ)」は、武神であったことから奈良・平安時代の武士に人気があり「妙見信仰」として広まりました。

900年ごろ(平安時代中期)に、関東地方で大規模な反乱を起こした平将門(たいらのまさかど)には、妙見菩薩に窮地を救われたという伝説があります。

そして、平将門が新皇を名乗り朝敵とされたあと、妙見菩薩のご加護が養子の平良文(たいらのよしふみ)に移ったと言われます。

008_r
その後、平良文の子孫は数多くの氏族に分かれ「良文流平氏(よしふみりゅうへいし)」を形成し、源頼朝(みなもとのよりとも)に協力することで鎌倉幕府の創立に大きな役割を果たします。

そして、良文流平氏の1つである千葉一族は、戦国大名として現在の東京西部から千葉県のあたりを支配します。現在の鳥越神社の宮司は、この千葉一族の末裔になります。

009_r
この鳥越神社には、処刑された平将門の手が埋められているという伝説や、京都で切り落とされた首が飛んできたという伝説などがありますが、ほかにも東京には、平将門の頭部や鎧などに関する伝説が残されている場所があります。

その数は7個。それぞれの地点を結ぶと北斗七星の形になります。これは、平将門の呪いを封じるための結界と言われ、その呪いの力を利用しようとした徳川家康により作られたと言われています。

これらは都市伝説のような話ですが、徳川家康は、実際にこの鳥越神社の力を大きく削ぎ落としています。その理由は、この土地が軍事の要衝であったからです。


010_r
隅田川は、東北地方・関東北部から物資や兵士を輸送する交通手段になり、川沿いにある丘は部隊が駐留する場所に適しています。江戸城の近くに、このような場所があるのは防衛上好ましいことではありません。

江戸城築城や隅田川の整備、近くにあった姫ヶ池の埋め立てなどで多くの土を使い、鳥越の丘を完全に平地にしてしまいました。

その後、隅田川の物資輸送の利点を活かし、ここに幕府の御米蔵(おこめぐら)が建てられました。現在、この周辺が「蔵前(くらまえ)」と呼ばれることになった由縁です。


011_r
平将門は、天皇に反逆して討たれたということもあり、菅原道真(すがわらのみちざね)、崇徳天皇(すとくてんのう)とともに『日本三大怨霊』の1つに数えられます。

さきほど紹介した江戸幕府による結界のほか、明治政府による結界など、平将門にまつわる場所を回りながら日本の歴史を学ぶのも良いかもしれません。

ここ鳥越神社は、北斗七星の柄杓の頭(Dubhe)に位置しますので、ほか6個の場所を周るスタート地点としておすすめです。


012_r
013_r
毎年6月に開催される鳥越祭では、千貫神輿(せんがんみこし)と呼ばれる都内最大級の重さを誇る神輿が出てきます。千貫(3,750kg)の勇壮な神輿を担ごうと数百人が乱入し、それを多数の警察官が取り囲むという圧巻の光景だそうです。

また、夜まつりとしても有名で、無数の提灯に囲まれ、ゆらゆらと揺れる灯りの様子から「お化け神輿」とも呼ばれます。

鳥越神社
住所〒111-0054 東京都台東区鳥越2-4-1
駅・アクセスJR 浅草橋駅 徒歩8分

,


  1. このエントリーをはてなブックマークに追加
Translate »