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松蔭神社前》1882年(明治15年)創建。「吉田松陰(よしだしょういん)」を祀る「松陰神社(しょういんじんじゃ)」の石灯籠は、幕末の激動を静かに物語ります。

2016/01/25  

東急世田谷線 松陰神社前駅(しょういんじんじゃまええき)で下車し、「松陰神社通り商店街」を北へ3分ほど歩くと、木々に囲まれた黒い鳥居が見えてきます。

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1882年(明治15年)、この世田谷(せたがや)の地に創建された「松陰神社(しょういんじんじゃ)」は、幕末の思想家であり教育者である「吉田松陰(よしだしょういん)」を御祭神とする神社です。

松陰神社は、吉田松陰のお墓がある、この東京都世田谷区(とうきょうとせたがやく)と、実家があったとされる山口県萩市(やまぐちけんはぎし)の2つの場所があります。

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吉田松陰は、1830年(文政13年)に、現在の山口県である長州藩(ちょうしゅうはん)で、武士の子として生まれました。叔父が開いた私塾「松下村塾(しょうかそんじゅく)」で学び、11歳のとき藩主への御前講義(ごぜんこうぎ)の際、兵学書を朗々と講じる姿を見せ、その名が城下に知れ渡ったそうです。

その後、西洋列強の力を知った吉田松陰は、西洋の兵学を学び、尊王攘夷(そんのうじょうい)の思想へと進んでいきます。1857年(安政4年)になると同塾を引き継ぎ、身分や職業など分けることなく多くの門下生たちと生活を共にしながら、指導にあたりました。

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そして、1859年(安政5年)に起きた「安政の大獄(あんせいのたいごく)」といわれる江戸幕府による尊王攘夷派に対する弾圧で投獄され、処刑されてしまいます。

その4年後、門下生らにより、処刑直後に葬られた現在の荒川区にある「豊国山回向院(ほうこくさんえこういん)」から、出身地である長州藩(ちょうしゅうはん)の藩主別邸があったこの世田谷に改葬されました。

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ちなみに、世田谷の名前が示す通り谷があり、それを挟んだ向こう側には、安静の大獄の際、吉田松陰の処刑を命じた井伊直弼(いいなおすけ)の菩提寺(ぼだいじ)である「豪徳寺(ごうとくじ)」があります。

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1882年(明治15年)、明治維新で活躍した門下生らは、お墓の側に吉田松陰を祀る神社として、この神社を創建しました。それから3年後、内閣制度移行に際し、この門下生たちは明治政府の要職に名を連ねることになります。

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境内には、その門下生たちが奉献した32基の石燈籠(いしとうろう)があります。それには伊藤博文(いとうひろぶみ)、山縣有朋(やまがたありとも)、桂太郎(かつらたろう)、井上馨(いのうえかおる)といった歴代の内閣総理大臣・外務大臣・内務大臣などに就いた者たちの名前を見ることができ、あらためて吉田松陰の残した影響の偉大さを感じることができます。

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また、ほかにも境内には、山口県の松陰神社にある松下村塾を模した建物があります。この塾で吉田松陰が指導した期間は、わずか2年半ほど。薫陶(くんとう)を受けた者たちは90名ほどですが、先に挙げた者たち以外にも、高杉晋作(たかすぎしんさく)や前原一誠(まえばらいっせい)、久坂玄瑞(くさかげんずい)など、ここでは挙げきれないほどの明治維新の英傑が育ちました。

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その教育の目的として、ここでは次の言葉が掲げられていました。「君臣の義(くんしんのぎ)」、「華夷の弁(かいのべん)」、「奇傑非常の人(きけつひじょうのひと)」。それぞれ「君主と臣下の間で守るべき正しい道」「日本と外国との違いを明確にすること」「人並み外れた優秀な人材」を意味します。

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社務所の裏には、「松陰先生他烈士墓所(しょういんせんせいほかれっしぼしょ)」があります。ここには、江戸幕府との戦いで重要な役割を果たしながらも、それ故に志半ばで倒れた人たちや、吉田松陰に関係の深い人たちが眠っています。

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幕府と戦い倒れた者、政治家として日本を変えた者、大学を創設して新たな教育者となった者。吉田松陰が教えた「奇傑非常の人」たちは、日本の近代化に大きな役割を果たしました。

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松陰神社は、この吉田松陰の優れた教育者としての知性・才覚にあやかり、学業成就・合格祈願の神社としても有名です。社務所では、お守りや鉛筆のほか、吉田松陰の肖像画や絵馬などを頂くことができます。

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吉田松陰の教育方針は、物事を教えていくものではなく、自分で気づかせ個性を活かすものであり、また自身も多くの書籍を読むだけでなく、行動して実際に自分の目で見て学んだと言われています。そのような教育方針や学ぶ姿勢も、合格祈願とあわせて、ぜひ知っておきたいところです。

教える立場として、学ぶ立場として、あらためて自分の「志」を見直す機会として、訪れたい場所ですね。

松陰神社
住所〒154-0023 東京都世田谷区若林4-35-1
駅・アクセス東急世田谷線 松陰神社前駅 徒歩3分
Webhttp://www.shoinjinja.org/


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