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神楽坂》“空へと続く参道” を抜けて総ガラス張りのモダンな社殿へ。かつての江戸の三社「赤城神社(あかぎじんじゃ)」は、隈研吾(くまけんご)氏によって神楽坂文化の発信拠点に生まれ変わりました。

2016/10/17  

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東京メトロ東西線「神楽坂駅」出口1(神楽坂口)を出ると、左手に「赤城神社(あかぎじんじゃ)」へ続く参道があります。

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参道を進み、鳥居と灯籠の間を抜けて石段を上ると、正面に拝殿が見えます。創建は1300年(正安2年)。社歴700年以上の由緒ある神社ですが、社殿は総ガラス張りの現代的なデザインとなっていて、その周りには青空を仰げる清澄な空間が広がっています。建築家 隈研吾(くまけんご)氏監修のもと、社殿がご再建されたのは2010年(平成22年)のことです。

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隈研吾氏といえば「東京国立競技場」や「KITTE」、「歌舞伎座・歌舞伎座タワー(GINZA KABUKIZA)」などを手掛けた世界的な建築家。赤城神社には前作「根津美術館(ねづびじゅつかん)」で見られた優美な切妻屋根など、隈研吾氏らしい意匠も随所に施されています。神楽坂在住であること、また赤城神社の氏子であることなど同神社とのご縁も窺え、地域の拠り所である神社を設計するという意味では、これ以上の適任者はいなかったのではないでしょうか。

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当時の赤城神社は社殿の老朽化だけではなく、併設されていた幼稚園が少子化の影響で閉園を余儀なくされたことと、そのほかにも運営上の課題を抱えており、これらを包括的に解決する目的で「赤城神社 再生プロジェクト」と銘する大規模なリニューアルが行われました。

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もともと幼稚園があった場所には三井の都市型ハイグレードマンションシリーズ「パークコート神楽坂」が建てられています。意匠は赤城神社の木立(こだち)をモチーフにし、参道の御影石(みかげいし)をマンションの共用部と一体化させることで、境内全体が見事に調和しています。設計監修はもちろん隅研吾氏。

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また境内に「あかぎカフェ」を併設しているほか、「かぐらざか あかぎ寄席」や青空市場「あかぎマルシェ」を開催するなど、様々な試みも行っています。「赤城神社 再生プロジェクト」によって一新された赤城神社は、伝統と現代が融合した新しいかたちの神社といえるでしょう。

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先進的な取り組みを行っている赤城神社ですが、かつては「日枝神社(ひえじんじゃ)」「神田明神」と並んで “江戸の三社” と称され、祭礼時には山車(だし)や練物(ねりもの)が江戸城に入ることも許されていた格式高い神社です。

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1834年(天保5年)刊の「江戸名所図会(えどめいしょずえ)」には「赤城明神社」として、牛込(うしごめ)の鎮守であったことなどが記されています。一説によれば「秩父の山々が見える、見晴らしのよい場所」として当地が選ばれたようですが、確かにこの一帯は高台となっていて、特に社殿北側からの眺望は見事です。

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祭神は岩筒雄命(いわつつおのみこと)と、合殿の赤城姫命(あかぎひめのみこと)です。岩筒雄命は迦具土神(かぐつちのかみ)より生まれた火伏せの神として、赤城姫命は牛込氏の息女と伝えられ、夫婦円満や安産にご利益のある女神様として慕われています。

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本殿の左手には境内社「螢雪天神(けいせつてんじん)」があります。学問の神様である菅原道真公(すぎわらのみちざね)を祀っていることから、合格祈願に訪れる受験生も多いようです。そもそもは「朝日天満宮」と呼ばれていましたが、1876年(明治9年)の戦災で焼失したのちに、旺文社(おうぶんしゃ)の寄付により再興。その際に旺文社の受験雑誌「螢雪時代」から “螢雪” を取り、螢雪神社と改名されました。

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本殿の鳥居から左奥へ進むと、3つの末社があります。左から徳川家康公を祀る「葵神社」、神楽坂商店街や近隣サラリーマンの信仰を集める「赤城出世稲荷神社」、聖徳太子を祀る「八耳神社(やつみみじんじゃ)」です。八耳神社はかつての「太子堂」で、「八耳様・八耳様・八耳様」と3回唱えると良い考えが浮かぶとされています。末社3社も赤城神社の本殿とともに「赤城神社 再生プロジェクト」によって再興されています。

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本殿から末社、敷地内の施設まで、境内全域に及んだ「赤城神社 再生プロジェクト」は現在も続いており、マンションの借地期間が終わる約65年後には、境内の緑地を森として蘇らせる計画となっています。

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花柳界文化が花開き、夏目漱石や泉鏡花(いずみきょうか)など名だたる文人ゆかりの地でもある “神楽坂” で、伝統の継承と地域発展、新しい文化の発信拠点となっている赤城神社。古き良きものは残しつつ、新しいアイデアを織り交ぜた、まさに現代社寺建築のモデルケースといえる神社です。かつての “鎮守の森” を取り戻し、新社殿とともに並ぶ頃には、また新たな赤城神社を見ることができるかもしれません。

赤城神社
住所〒162-0817 東京都新宿区赤城元町1-10
駅・アクセス東京メトロ東西線 神楽坂駅 徒歩1分
Webhttp://www.akagi-jinja.jp/
電話番号03-3260-5071


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