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浅草》体験して初めて分かる、江戸職人の精巧な技術。世界で1つの“わたし”の江戸切子を「グラスファクトリー 創吉」で作る。

2016/11/18  

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東京メトロ銀座線 浅草駅の4番出入口を出て、すぐ右側の道へ入ります。30mほど進むと、左手に「グラスファクトリー 創吉」があります。ここでは、日本の伝統的工芸品である「江戸切子」を体験できます。

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「グラスファクトリー 創吉」は、店主の関場吉五郎さんが開いたグラス、バー用品専門店。学生時代からグラスを買って集めていたほどグラスが好きだったことから、このお店を開きました。

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店主が厳しい目で選び抜いた1,000種類以上のグラスは、どれも個性的でハイクオリティ。光を反射しキラキラと輝いています。

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業務用のグラス店として運営を始めた「グラスファクトリー 創吉」。高級なグラスは、少しでも欠けると使い物にならないため、「自分で削って磨いて修理をしたい」という想いから江戸切子を始めました。

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江戸切子とは、ガラスの表面にカットを入れる江戸発祥の技法・またその技法で作られたガラス細工のことです。1834年(天保5年)、江戸大伝馬町(現在の東京都日本橋)のガラス問屋の職人である加賀屋久兵衛が、ヨーロッパ製のカットグラスを真似し、ガラス製品の表面に彫刻を施したのが始まりと伝えられています。

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1882年(明治15年)には、イギリスから招いたカットグラス技術士のエマヌエル・ホープトマンによる技術指導が数十名の日本人に行われ、現代の江戸切子の伝統的ガラス工芸技法が確立されました。江戸切子は現代まで受けつがれ、数少ない職人の手により発展し続けています。1985年(昭和60年)に東京都の伝統工芸品産業に指定され、2002年(平成14年)には国の伝統的工芸品に指定されました。

それでは早速、江戸切子を体験してみます。

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今回は色被せ(いろきせ)グラスの江戸切子に挑戦。作業時間は90分程度です。

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複数のグラスの中から、金赤色のグラスを選択。まずは底をカットするため、基本線を描く「割り出し」を行います。「菊」と呼ばれる模様を描きました。

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「割り出し」が出来たら、グラインダーを使ってカットする「粗ずり(あらずり)」の作業に移ります。人工ダイヤの刃が高速で回転しており、刃の熱を冷ますために水が当てられ続けています。長い髪は必ず束ねてから作業しましょう。

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職人さんのお手本を見てから、まずは練習用のグラスで実践。「グラスをグラインダーに触れさせ、押すように力を込めると、線の幅が膨らむように削れていきます。長い線を削りたい場合は、前後にちょっとだけ動かしてくださいね。」

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シュイイイと静かにガラスの削れる音がして、白い線となりました。狙い通りの線を削るのは難しいです…!

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何度か練習し、今度は本番。グラスの底をカットします。まずは基本線を浅く削ってから、徐々に深くしていきます。「削りすぎて穴が空くことは滅多にないので、もっと深く削って大丈夫ですよ。」深く削ると、光が当たった時に影がハッキリして、より美しく見えるんです。

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底の完成写真がこちら。深く削る作業は、想像以上に力が入ってしまいました。集中力も必要で、削る時に思わず呼吸を止めてしまうほど。江戸切子の制作は体力と集中力が必要となるため、柄にもよりますが、1日で制作できる数に限りがあるようです。

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側面の模様を決めます。江戸切子には「菊花文(きっかもん)」や「矢来(やらいもん)」など、伝統的な模様が数えきれないほどあります。それらを組み合わせたり構成しながら、現代の江戸切子は作り出されているのです。

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人気の模様「花火」に決めました。先ほどの菊を少し応用したようなデザインです。

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参考作品を見ながら、好きなように基本線を描き、割り出し完了です。底から上に伸びる直線部分は、職人さんに専用の機械で引いてもらいました。

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先ほどの感覚を思い出しながら、さっそく側面を削り始めます。

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最初は苦戦していましたが、作業に慣れるにつれ集中力も増し、力加減のコツも掴めてきました。思ったように削れないこともありますが、楽しい。熱中してガラスを削り続けます。

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途中経過を見てもらい、相談しながら削り進めます。「花火は大きさや深さにメリハリをつけると、バランスよく仕上がりますよ。もっと深い部分を作ってもいいかもしれませんね。」

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徐々に完成していくグラスに、すでに愛着が湧いています。絶対良いグラスに仕上げたい。

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本来の江戸切子の製造過程であれば、粗ずりの後に仕上げ・磨きなどの工程がありますが、体験ではここまで。余分な基本線を拭き落としてもらい、完成です!

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「上手に出来ましたね!」職人さんからの嬉しいお言葉。完璧ではないけれど、なかなか良い仕上がりでは?!と自画自賛したくなるぐらい、熱中して楽しく作り上げることが出来ました。満足感と達成感で、思わず笑みがこぼれます。完成したグラスは、そのまま持ち帰ることが出来ますよ。

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江戸切子の楽しさを知り、何度も足を運ぶお客さんも少なくありません。友人同士や、家族を誘って参加する方も。年齢を問わず楽しめる体験だと思います。江戸切子の体験にはお皿や灰皿のコースもあり、こちらは全二回。グラスを一度経験した方にお勧めのようです。

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実際に江戸切子を体験した後、改めて職人さんの作品を見ると、最初に見た時よりも職人さんの作品が、より一層美しく精巧なことに気づかされます…ため息が出ます。
「一見難しい作品でも、作業に慣れ、いくらでも時間をかければ、誰でも作ることは出来ます。ですが職人は、決められた納期で、決められた数を、同じクオリティでつくらなければいけないのです。」

難しい部分もありましたが、楽しい江戸切子体験でした。家に着いたら、グラスで何を飲もう?今から楽しみです。次はお皿を作ってみようかな。

グラスファクトリー 創吉
住所〒111-0034 東京都台東区雷門2-1-14
駅・アクセス東京メトロ銀座線 浅草駅 徒歩1分
営業時間月〜金
11:00〜19:00
土・日・祝
11:00〜18:00
定休日年末年始
Webhttp://www.sokichi.co.jp/index.html
電話番号03-3843-1119


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