銀座》銀座で文明開化の一端を担った1895年(明治28年)創業「煉瓦亭」。「カツレツ」「ハヤシライス」「オムライス」「ハムライス」…数々の洋食のスタンダードがここにあります。 » 東京すごろく
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銀座》銀座で文明開化の一端を担った1895年(明治28年)創業「煉瓦亭」。「カツレツ」「ハヤシライス」「オムライス」「ハムライス」…数々の洋食のスタンダードがここにあります。

2017/01/05  

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東京メトロ銀座線銀座駅B1出入り口より、南東に向かうと「ガス灯通り」に出ます。
そのまま直進し、一つ目の交差点を渡り、程なくすると銀座3丁目辺りの右手側に「煉瓦亭」があります。

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「煉瓦亭」は、1895年(明治28年)創業の老舗洋食屋。数々の洋食料理の元祖を作り出してきた、草分け的存在です。創業から120年以上経った今も、平日の昼食どきには開店前から行列をなすほどの人気店です。

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「煉瓦亭」と言う屋号は、当時の銀座が別名「煉瓦地」と呼ばれる、モダンな煉瓦造りの街並みだったことに由来します。
「煉瓦亭」は、江戸の情緒が残る明治初期に、創業者の木田 元次郎氏がフランス料理店として開業しました。当時は、西洋の文化を大幅に取り入れ、風俗や衣食住にも大きな変化もたらした文明開化の真っ只中。急速な近代化ともに、様々な最先端なものが人々を魅了していった時代でした。

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開店と同時に案内が始まり、一番広い2階のフロアから誘導されていきます。
建物の構造は、地下1階から地上3階の4階建。地下1階~地上2階は、テーブル座席の洋風のフロア。3階は、お座敷の和式のフロアです。

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明治・大正・昭和・平成と4代に渡り、常連客から親しまれている「煉瓦亭」。
「鬼平犯科帳」や「剣客商売」などの著作で戦後を代表する時代・歴史小説作家である、池波 正太郎(いけなみ しょうたろう)氏もその一人でした。健啖家としても著名だった池波 正太郎氏は、14歳の頃から通い続けていたそう。

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一番人気の看板メニュー「元祖ポークカツレツ」。
1人前100gの豚ロース肉を丁寧に筋切りし、塩胡椒で下味を付け1日寝かします。提供する直前に小麦粉をまぶし、生卵と粗めの生パン粉をつけて油で揚げ、カラッとした仕上がりに。油は、ラードとコーン油を使ったオリジナルブレンドを開発し、今も継ぎ足し使い続けています。
カツレツは、元々フランス料理のコートレット(côtelette)から由来しています。当時はパン粉をつけた後にバターなどでソテーするものが主流でしたが、木田 元次郎氏が、多めの油で“揚げる”というスタイルを考案し、全国に広がりました。

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さっくりとした衣に、ジューシーな豚肉。下味がついているので、そのままでも充分に美味しいですが、お好みで自家製ウスターソースと辛子をプラスしても◎
当時はデミグラスソースを使用していましたが、揚げ物には味がくどいと不評だった為、程よくスパイシーでさっぱりとした自家製ウスターソースに変更したところ好評になり、定番化されました。

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さらに、このカツレツ×ウスターソースに合うのが、「千切りキャベツ」。今や揚げ物の側には当然かのごとくある、この「千切りキャベツ」も「煉瓦亭」から生まれました。
元々付け合わせには温野菜が使われていましたが、日露戦争の際にコックが徴兵されたのを機に、少しでも手間を省くため「千切りキャベツ」が考案されたそう。生野菜ならではのさっぱりさとシャキシャキとした食感で、カツレツにぴったりと大好評。以降、この不動のスタイルが確立されました。

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「元祖ポークカツレツ」は単品ですので、別料金でライスかパンを選びます。
パンは、昔ながらのふっくらとしたロールパンと、フランスパン。焼きたてなので、ほんのりと温かい状態です。

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洋食のカツレツにはライスが定番ですが、あえてパンを選んだのには理由があります。
まずは、カツとキャベツ、バターを塗ったフランスパンを交互に味わいます。次に焼きたてのロールパンに、バターを塗り、ウスターソースをかけたカツレツ、キャベツと少しの辛子をトッピング。サクッ・ふわっ・ジューシーな贅沢カツサンドに♪
口の中に幸せが広がります。

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「元祖オムライス」。
諸説ありますが、オムライスの発祥の店として、西は大阪・心斎橋の「北極星」、東はこの東京・銀座の「煉瓦亭」と言われています。
「煉瓦亭」のオムライスは、元々、忙しない厨房の中で片手でも食べられる賄(まかない)料理として1900年(明治33年)頃に考案され、その後客の要望により「ライスオムレツ」として提供が始まりました。

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「煉瓦亭」のオムライスは、見た目からもわかるように、一般的に“オムライス”とされているものとは違います。
ひき肉、玉ねぎなどの具材とライスを炒めた後、玉子を一緒に“混ぜて”焼き上げたもの。玉子とお米が完全に一体化した“お米入りのオムレツ”のようなイメージです。外は香ばしく焼かれ、中はミディアムレアのとろりとした玉子の火入れ具合になっています。

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リゾットのような滑らかな舌触り、爽やかな酸味のトマトケチャップ。元祖でありながら、斬新なスタイルのオムライスに驚きを隠せません。一般的なオムライスと同じ材料を使用しているにもかかわらず、全く異なる味わいで、玉子とお米本来の優しい風味を感じることができます。

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「ハムライス」。
香ばしく焼き上げられたハムがピラフの上にドーンと乗った、まさしく「ハムライス!!」と言わんばかりのインパクト大なビジュアルです。

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上に乗ったハムをナイフとフォークで豪快に切り分けていきます。ハムを大きく切って頬張るのも良し、小さく切って少しづつじっくり味わうのも良し♪ハムの大きさを調節しながら食べるのも楽しみの一つです。

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シャキシャキの玉ねぎ、ホクホクのグリーンピース、厚めに切られたマッシュルーム。絶妙な具の配分とライスが、バターでパラリと炒められています。そこにダメ押しのたっぷりのハム。
様々な食材の旨味がお互いにコーティングし合ったような、一体感のある美味しさです。

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池波 正太郎氏に“格別”と言わしめた「元祖ハヤシライス」。
ソースポットに入ったハヤシソースと、ライスが別々に提供されます。
このハヤシライスも諸説ありますが、ドミグラスソースを使い作り上げたものは「煉瓦亭」が初めてとされています。

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「煉瓦亭」の「ハヤシライス」は、元々は「ハッシュドビーフアンドライス」と呼ばれており、その名の通り牛肉がメインの料理です。
牛すじ肉や香味野菜などを1週間以上煮込んで作った特製デミグラスソースに、炒めた玉ねぎと国産牛肉のランプやイチボなどの上質な赤身が合わせられています。

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噛んだ瞬間に甘みが弾ける玉ねぎは、注文を受けてから炒めるからこそ出せる味わい。ドミグラスソースの芳醇な旨味、牛肉のコク、香味野菜とかすかに感じるスパイスが溶け合い、上品でいて濃厚な由緒正しき美味しさです。

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甘酢がキリッと効いたらっきょうと、パリっと小気味良い食感の福神漬けも忘れずに。
濃厚なハヤシライスの爽やかな合いの手です。

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お会計は1階で。なんと東京五輪の年、1964年(昭和39年)から、今も現役で使用しいるスウェーデン製のレジ。古くとも良いものを使い続ける、「煉瓦亭」らしい堅実さを感じます。

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前述の池波 正太郎氏は、このような言葉を残しています。
“2階からただよってくるうまそうな匂いこそ、昭和初期の洋食の匂いにまぎれもない。現在、こういう匂いのする洋食屋は、煉瓦亭の他に私は知らない。”
『散歩のとき何か食べたくなって』池波 正太郎/新潮文庫より引用。

建物全体で、美味しさを語る「煉瓦亭」。銀座で文明開化の一端を担い、“昔ながらの洋食”ではなく、“ここからの洋食”の数々を生み出した、唯一無二の存在感を今も力強く放ち続けています。

煉瓦亭
住所東京都中央区銀座3-5-16
駅・アクセス東京メトロ銀座線銀座駅A10またはB1出口より徒歩3分 和光裏、ガス灯通り。
銀座駅から196m
営業時間11:15~15:00(L.O.14:15)
16:40~21:00(L.O.20:30)【土曜・祝日 ~20:45(L.O.20:00)】
ランチ営業
定休日日曜日
Webhttp://ginzarengatei.com/
電話番号03-3561-7258


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