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九段下》940年(天慶3年)創建「築土神社(つくどじんじゃ)」に見る「繋ぎ馬(つなぎま)」は荒れ馬に例えた平将門(たいらのまさかど)の姿。止まる事ない勇猛さを表しています。

2017/04/13  

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東京メトロ半蔵門線・東西線・都営新宿線 九段下駅7番出入口を出て、すぐの角を左に曲がると中坂(なかざか)に出ます。しばらく登っていくと、左側に「築土神社(つくどじんじゃ)」が見えてきます。“モチの木”を意味する「アイレックス」と名付けられたビルの敷地内にあり、「築土神社」が、かつて「冬青木(もちのき)坂」付近に鎮座していたことからこの名がつきました。鳥居の左脇には神木としてモチの木が植えられています。

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築土神社の相殿(あいどの)として祀られる「平将門公(たいらのまさかどこう)」は、平安時代中期、一族の抗争からやがて関東8カ国を平定。自ら「新皇」と名乗り朝敵(ちょうてき)として疎まれましたが、死後、関東の英雄・武道の神様として崇められ、現在は日本武道館の氏神となっています。

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ビルの屋上部分には平将門の威光にあやかり長さ5m程の巨大な剣が掲げられています。
平安時代に登場し、以降武士の必需品となった日本刀は、彼が最初に造らせたという伝説も残されています。

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千代田区都市景観賞を受賞したアイレックスビルの下部には厚い石材の柱が並び、現代的な参道となっています。奥に見える境内へ導かれながら歩みを進めます。

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1780年(安永9年)、元 飯田町の氏子(うじこ)により奉納された狛犬。現在千代田区内では最も古く、1996年(平成8年)には千代田区指定有形民俗文化財に登録されています。

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ビルの谷間にある狭小な境内ながら迫力ある社殿は、住吉造(すみよしづくり)と神明造(しんめいづくり)の融合型で、1994年(平成6年)に造営されたもの。手前に大きくせり出した屋根と、黒と金のコントラストが印象的な造形となっています。

境内には相殿にも関わらず、平将門に関する痕跡が多く残されています。

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その一つ、御神紋は三つ巴と九曜紋(くようもん)で、社殿や提灯、絵馬などに見ることができます。
九曜とはもともとインド天文学や占星術が扱う9つの天体を神格化したもので、それがやがて中国や日本に伝わり、武士の間で信仰の対象とされました。諸説ありますが、九曜紋は、真ん中の大きな円を北極星に見立て、上天を代表する最高神・太一神(たいいつしん)として崇めた北斗信仰を意味するとされています。この信仰を信ずれば、災厄を免れて福をもたらし長生きができると云われ、平将門自身も崇拝していたことから、九曜紋を使用していたと考えられます。

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絵馬に描かれている「繋ぎ馬(つなぎま)」とも深い関係があります。
繋ぎ馬とは、荒れた馬の勢いを抑えようと繋ぎ止めた様子を指し、平将門は数多くの戦で猛威を振るっていたことから、彼の姿を象徴した表現となっています。
平将門は、この文様を戦の際の陣幕や家紋として使用しており、後々子孫や将門信仰を持つ相馬(そうま)・三田(みた)・神田・黒沢の諸氏も家紋として受け継ぎ、現代でも築土神社の氏子である飯田橋商店街のシンボルマークに使用されています。

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平将門には馬にまつわる逸話が多いですが、中でも有力なのは、拠点としていた土地にあります。父・良将(よしまさ)が最初に本拠を置いた佐倉(千葉県佐倉市)や、自身の本拠地・鎌輪(かまわ:茨城県結城郡千代川村)付近には、馬を飼育する山野・馬牧(うままき)が数多くあったといいます。そのため、この土地柄を利用し、馬を軍事力として最大限活用する術を幼い頃から身に着けていったのだと考えられます。

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社殿右横の小路を進んだところにある「力石」。
狛犬同様、元飯田町の氏子(うじこ)による奉納で、1989年(平成元年)に区有形文化財に指定されました。由来は詳かではありませんが、中央にはそれぞれ「五十三メ目(約198キロ)」「三拾貫余(約112キロ)」と刻まれており、江戸時代、寺社の境内で地元の若者たちが力比べに用いたと言われています。

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1441年(嘉吉元年)、飯田町に創建された、兼務社の世継稲荷神社(よつぎいなりじんじゃ)。
子宝や子孫繁栄にご利益があるとされ、徳川幕府第14代将軍 家茂(いえもち)の正妻・和宮(かずのみや)が子宝を願って参詣したことで知られています。

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1590年(天正18年)徳川家康江戸入城の際には、2代将軍 秀忠(ひでただ)がこの地を訪れ、橙(ダイダイ)の木を見て、「代々」と同じ発音であったことから「代々世継を栄える宮」と称賛しました。以来、世継稲荷と呼ばれるようになり、今でもそばにはダイダイの木を見ることができます。

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拝殿の左側にも奥へ続く小路があり、本殿を抜けると靖国通りに面した「北の丸スクエア」に繋がります。2006年(平成18年)、九段下駅周辺の再開発プロジェクトの一環として建てられました。

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通り抜け用の通路の役割も担っているようで、裏側から見る社殿も正面とはまた違った趣を感じる造りになっています。

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数多くの伝説が残る平将門。実は平将門ゆかりの地は都内だけでも7つ存在するといいます。その7つの場所をつなぐと前述の北斗信仰の北斗七星の形になり、平将門の呪いを封じるための結界だと言われています。一説によると、徳川家康が朝廷に対する守護神として、彼の霊的パワーを利用していたとされています。平将門ゆかりの地を訪れれば、当時の彼の生き様を垣間見ることができるかもしれません。

築土神社
住所〒102-0073東京都千代田区九段北1-14-21
駅・アクセス東京メトロ・都営新宿線 九段下駅1番出入口より徒歩1分
Webhttp://www.tsukudo.jp
電話番号03-3261-3365


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