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上野》地下鉄の踏切は、線路側にも遮断機が!?「銀座線 上野検車区(ぎんざせん うえのけんしゃく)」にある日本唯一の踏切。

東京メトロ銀座線 上野駅9番出入り口を出て、目の前の「昭和通り」を渡ります。そのまま日暮里方面に5分ほど進み、2つ目の信号を右に曲がります。

目の前には、水色のゲートのような構造物が。そして、よく見ると見慣れた遮断機・警報機も目に入り、踏切のように見えます。

ここは東京メトロの「上野検車区(うえのけんしゃく)」、東京地下鉄 銀座線(とうきょうちかてつ ぎんざせん)の車両基地です。

鉄道車両の施設で、車両を収容する「車庫」と、車両の入替や列車の組成をおこなう「操作場」、そして検査や修理をおこなう機能を持っています。

1927年(昭和2年)12月、銀座線の開業にあわせて、東京メトロの前身「東京地下鉄道(とうきょうちかてつどう)」により、『上野電車庫(うえのでんしゃこ)』として建てられました。

上野の一等地とも言えるこの場所は、関東大震災後の首都復興事業の一環として用地を取得したとのこと。当初は、一時的な仮施設として使用し、さらに延伸したときに別の場所に新しい施設を建設する計画だったそうです。

いまでは、上野駅は銀座線の途中駅ですが、当時は浅草-上野間の運行だったので、この場所に車庫が建てられたのも納得です。

左の車両は、旧型の01系。右の車両は、新型の1000系で、開業時の初代車両をモチーフにしたレトロ調の車両です。

その後、渋谷まで延伸され、第二次世界大戦以降は乗客数が年々増加したため、輸送量を上げる目的で、1963年(昭和38年)5月、大規模な改築をおこないました。

およそ5年をかけて、既存の設備を全て廃止し、地下に6両編成13本、地上には6両編成7本が留置可能な2層構造の施設に生まれ変わりました。

そして、この検車区の大きな特徴は、「日本で唯一、地下鉄が通る地上の踏切」です。

最初は「地下鉄なのに、地上の踏切を通るの?」なんて思いましたが、実際に来てみて納得。オフィスビルなどが立ち並び、細かい道が張り巡らされているこの地域では、どうしても踏切が必要になるんですね。

※かつては、都営地下鉄 浅草線(とえいちかてつ あさくさせん)の「馬込車両検修場(まごめしゃりょうけんしゅうじょう)」にも踏切がありましたが、2004年(平成16年)に廃止されています。

また、「地下鉄が通る地上の踏切」というほかに、「軌道遮断式踏切(きどうしゃだんしきふみきり)」という特徴があります。これも日本の地下鉄ではここだけです。

「軌道遮断式」、つまり道路側の遮断機だけでなく、線路側には昇降型の遮断柵があるのです。なぜでしょうか? それは「あぶない」「危険」という警告に答えがあります。

銀座線は、ほかの鉄道のようにパンタグラフで架線から集電をするのではなく、第三軌条方式(だいさんきじょうほうしき)という「3本目のレール」から集電するため、線路内に立ち入ると非常に危険なのです。

第三軌条方式は、トンネル断面が小さいので、工事の期間・コストなどを抑えることができる利点がありますが、このように地上部においては、感電のリスクが生まれてしまいます。

なので、人はもちろん、猫や犬などが立ち入らないように、遮断柵で厳重に閉じているんですね。

もちろん、道路を横切る箇所には、3本目のレールはありません。
ここは慣性で通過するようになっています。

列車が近づいてくると、道路側の遮断機が降りて、線路側の遮断柵が昇っていきます。

そして、遮断柵が完全に昇りきったあと、銀座線01系が姿を現しました! 感動!!

ノスタルジーを感じる「踏切」と「雑居ビル」には、新型車両1000系という「作られたレトロ車両」ではなく、「使い込まれたアルミ合金の無塗装車両」が似合います。

検車区に向かうその姿に、思わず「おつかれさま」と声をかけたくなる一瞬です。

踏切を通過する間は、非常に低速で進みます。途中で一度、停車することがあったのですが、検車区側でなにか切替作業などがあるのでしょうか?

列車に興味がなく、ただ踏切を待つだけの人にとっては、少し長いと感じるかもしれません。しかし、普通の踏切とは違い頻繁に通過するものではないので、「おつかれさま」の心と、逆方向の場合は「いってらっしゃい」の心をもって見守ってあげましょう。

逆に言うと、踏切を通過している姿を撮ろうと思っても、なかなか出会うことができません。朝夕の通勤時間帯は、比較的多く見ることができるようですが、日中は数本程度しかチャンスがありません。そこで、踏切を通過する時間を知るには、どうすればいいでしょうか?

この検車区への分岐は、上野駅と稲荷町駅の間にあるので、稀にある「上野行き」もしくは「上野発」の列車が、検車区に関係してそうです。

「上野行き」の場合は、1つ前の上野広小路駅「浅草方面の時刻表」を見ることで、詳細な時間を確認することができます。今回の取材は、「10:11」の通過でしたが、時刻表では「10:10」に上野行きがありました。
※2015年10月時点の平日

必ずしも、この法則に当てはまるとも限りませんが、1つの目安にはなるかと思います。

写真の車両01系は、2016年度までにすべて新型の1000系に置き換わってしまいます。きっと、最後の日、01系がここに帰ってくるときは大勢の人に迎えらることでしょうね。

そのまえに、この車両が走る姿をじっくりと見られる上野検車区で、写真に収めてみてはいかがでしょうか? 普段見えない車輪などの動作部も見ることができますよ。

銀座線 上野検車区
住所 〒110-0015 東京都台東区東上野4丁目25-18
駅・アクセス 東京メトロ銀座線 上野駅 徒歩8分

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